新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、4月7日に緊急事態宣言が発令された。
多くの飲食店や小売店などが営業自粛を決めた他、その他業種においても大きな影響が出ている。
感染拡大のピークがいまだ見えず今後の見通しも不透明な中、
とりわけ企業体力に乏しい中小零細企業にとっては極めて厳しい事態となっている。
JCI日本では各種専門家と連携して全国の事業者を支援している。
当記事では専門家にご協力いただき、数多く寄せられている相談の中から特に多いご相談と
それに対する有効な支援策を5つ紹介する。
また最後には、専門家がお勧めする情報収集ツールをご紹介する。
1.融資はどこに相談に行ったら良いのでしょうか? 2.融資の金額はどれぐらいで申し込んだら良いのでしょうか? 3.私はどの補助金にチャレンジしたら良いでしょうか? 4.支出を伴わない支援制度は何がありますか? 5.テレワーク導入に使える補助金は無いですか? 番外編.専門家のオススメツール!
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1.融資はどこに相談に行ったら良いのでしょうか?
【優先順位】
優先順位としては①政府系金融機関による無利子・無担保融資、②信用保証協会による危機関連保証、が良いでしょう。
制度としては別のものですが、全体としてどの程度資金が必ようかという見方になりますので、
有利な制度から打診することが有効です。
【政府系金融機関による無利子・無担保融資】
日本公庫の担当者や最寄りの日本公庫に相談、または日本公庫 事業資金相談ダイヤル(0120-154-505)に相談してください。
※参考リンク 日本政策金融公庫 新型コロナウイルス感染症特別貸付サイト
【信用保証協会による危機関連保証】
最寄りの信用保証協会、または普段からお付き合いのある民間金融機関の担当者に相談されると良いでしょう。
一般保証枠と別枠での保証枠が設定されます。
※参考リンク 経済産業省 該当ページ
【上記で足らない場合は】
社会福祉協議会の「⽣活福祉資⾦貸付制度の特例貸付」の活用も検討してください。
金額は小さいですが生活に支障をきたす方の支援を行ってくれます。
もともとは低所得者世帯向けの制度ですが、休業や失業等による資金不足を支援すべく、特例貸付制度が設けられています。
※参考リンク 厚生労働省 生活福祉資金貸付制度
2.融資の金額はどれぐらいで申し込んだら良いのでしょうか?
【借りたい金額を素直に伝える】
ケースバイケースではありますが、コロナ影響はいつ収束するか現時点では読めませんので、
保守的に、つまり多めに見た必要資金額を申込みされると良いかと思います。
満額回答になるかは分からないですが、大きい金額を申し込んだから審査が不利になるということはありません。
【目安は】
3か月程度のコロナ影響を踏まえた必要資金というのが一つの目安になると思われます。
3.私はどの補助金にチャレンジしたら良いでしょうか?
【販路開拓】
販路開拓に取り組みたいなら持続化補助金を検討しましょう。
販路開拓とは「新しいお客様を開拓する」という意味です。
ホームページやチラシはもちろん、展示会出展費用やサンプル製作費など幅広く補助してくれます。
ただし対象は小規模事業者に限ります。
【設備投資】
設備投資を伴う新商品開発やプロセス改善ならものづくり補助金を検討しましょう。
補助金額が大きく魅力的ですが、その分、申請書類をしっかりと作り込む必要があります。
締め切りまで余裕を見て早めに取り掛かりましょう。
初めてチャレンジされる場合は一か月程度は準備期間として考えておきましょう。
【ITツール導入】
ITツール導入による業務効率化ならIT導入補助金を検討しましょう。
事前に登録されたIT導入支援事業者及びITツールのみが対象となるので、
早めにツール選定し、支援してくれるシステム会社に相談しておきましょう。
※参考 生産性革命推進事業に係る補助金
【事象承継(予定)者】
事業承継を契機とした取り組みなら事業承継補助金を検討しましょう。
2017年4月1日~2020年12月31日の間に事業承継を行う必要があります。
※参考 事業承継補助金
4.支出を伴わない支援制度は何がありますか?
一次的な雇用調整を行う場合に受けられる雇用調整助成金、
そして特に大きな影響を受けた事業者などが受けられる持続化給付金(詳細は未決定)などがあります。
※参考 雇用調整助成金 、持続化給付金(リンクの24頁)
5.テレワーク導入に使える補助金は無いですか?
【IT導入補助金】
IT導入補助金において、テレワークに利用できる業務効率化ツール等の補助が受けられます。
【働き方改革の支援】
厚生労働省の「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」も活用を検討しましょう(ただし端末は対象外)。
※参考 厚生労働省 働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)
【東京都の方は】
東京都においては自治体独自の支援制度が各種用意されています。東京都に本社や事業所がある場合は活用を検討しましょう
番外編!専門家のオススメツール!
【支援策のまとめ資料】
政府等によって緊急支援策のまとめサイトがいくつか用意されています。
特に、経済産業省のウェブサイトに掲載されている「支援策パンフレット」は情報が見やすくまとまっており、
また最新情報が随時反映されているので必ず確認しておきましょう。
※参考 支援パンフレット
【最新情報を知るには】
コロナ関連の緊急支援策は刻一刻と変化していますので、最新の情報を効率的にチェックすることが大切です。
そのためにはメルマガの活用が有効です。下記のメルマガをチェックしておけば
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いかがだっただろうか。日本は、中小企業・小規模事業者が企業数の99%、雇用の約7割を占めている。
日本経済の主役である中小企業・小規模事業者を支えるべく、様々な経済支援策が打ち出されている。
JCI日本でも緊急提言書を提出、3月30日には自由民主党政務調査会長 岸田文雄氏と意見交換を行い、
全国の中小企業者の生の声を届けた。そしてその声は政府の打ち出す支援策にも反映されている。
今は本当に厳しい局面である。しかしながら新型コロナの収束後の「アフター・コロナ」にやってくる
明るい未来を信じて希望を持つことが大切である。経営者として刻一刻と変わる状況を察知し、
支援情報も素早く収集して活用することで、力強く「ウィズ・コロナ」の危機を生き抜いていきたい。